1996年1月31日水曜日

1995年から1996年にかけて発見された系外惑星


太陽と似た星の周りには、地球と似た惑星が存在するのでしょうか? 天文学者が長い間追い求めてきたこの問に対して、最初の答えが出たのは1995年のことでした。上の図は、1995年から1996年にかけて発見された、惑星を持つ4つの主系列星(太陽系、51 Peg、70 Vir、47 UMa)について、それぞれの惑星の特性を視覚的にまとめたものです。70 Vir、47 UMa の2つのケースは、ジェフリー・マーシー氏とポール・バトラー氏が率いる研究チームが行っている大規模な系外惑星探査プロジェクトの中で発見されました。70 Vir、47 UMa の2つのケースでは、発見された惑星が、液体の水が存在できる温度範囲に存在するため、生命の発達に適した条件を備えている可能性があると研究者たちは期待しています。
(執筆:2019/8/17)

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1996年1月30日火曜日

乙女座70番星に発見された系外惑星


乙女座にある「70 Vir」という名前の主系列星の周りには惑星が存在することが知られています。70 Vir の惑星は、主系列星の周りに発見された惑星(系外惑星)として2例目となります。(初めての系外惑星は、1995年にベガサス座の「51 Peg」の周りに発見されました。)70 Vir に見つかった惑星は、質量が木星の8倍以上ありますが、木星に比べるとずっと星に近い軌道を公転しています。したがって、温度の観点からは、液体の水が存在する可能性があります。この惑星には、果たして生命は存在するでしょうか。
(執筆:2019/8/16)

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1996年1月29日月曜日

宇宙を照らすサーチライト


上の写真はハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された「玉子星雲」です。この星雲は約3000光年の距離にある「原始惑星状星雲」と呼ばれるタイプの星雲です。原始惑星状星雲は、惑星状星雲になる一歩手前の天体です。太陽程度の星の進化が進み、恒星内での核燃料が枯渇しだすと星の外層が宇宙空間に放出されはじめ、徐々に星雲を形成します。星雲のでき初めの時期には、星周物質の密度が高く、中心星からの紫外線が星雲の外側まで届きません。この段階の星雲を原始惑星状星雲と呼びます。やがて星雲の密度が低くなり、中心星からの紫外線放射が星雲全体に行き渡るように成ると惑星状星雲の段階に入ります。惑星状星雲期に入ると、中心星と星間空間からの紫外線によって星雲のガスは完全にイオン化された状態になります。玉子星雲は特徴的な双極状(点対称)の形をしていますが、このような複雑な構造が形成されるメカニズムはまだ完全に理解されていません。
(執筆:2019/8/15)

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1996年1月28日日曜日

軌道上でのハッブル宇宙望遠鏡の修理


1993年12月、ストーリー・マスグレイブ、ジェフリー・ホフマンの両宇宙飛行士によって、地球の上空640キロメートルの軌道上においてハッブル宇宙望遠鏡の修理が行われました。この写真は、スペースシャトル 「エンデバー号」 のロボットアームの先端に固定された宇宙飛行士が、修理の最終的な仕上げを行っているところです。眼科にはオーストラリア西部の海岸線が見えています。この修理ミッションは非常に何度の高いものでしたが、修理は成功しハッブル宇宙望遠鏡の観測性能が大きく改善されました。
(執筆:2019/8/13)

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1996年1月27日土曜日

M8 干潟星雲


干潟星雲(M8)は、若い星とガスからなる散光星雲です。この星雲は、見かけの大きさが非常に大きく、なおかつ明るいため肉眼でもその存在を夜空に確認することができます。干潟星雲に重なるように、若く青い星々から成る散開星団(NGC6530)も存在しています。散開星団の青い星々は、数百万年前に干潟星雲の中で生まれました。散光星雲の上に重なった塵の帯(暗黒星雲)が見せる形が干潟を連想させることから干潟星雲と呼ばれています。散光星雲の一番明るい部分は、その形状から特に砂時計星雲と呼ばれることもあります。
(執筆:2019/8/13)

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1996年1月26日金曜日

しぶんぎ座流星群


ある時期にまとまって多数の流れ星が見える現象を流星群(または流星雨)と呼びます。流星群は、宇宙空間に塵の塊が漂っている場所を、地球が通り抜けることで起こります。流星群の原因となる塵を宇宙空間に撒き散らす発生源は主に彗星であることが知られています。上の写真は、1995年1月に撮影された「しぶんぎ座流星群」の写真です。流星の軌道は実際にはお互いに平行なのですが、地球上から観察すると、見かけ上、夜空の1点から飛び散るように見えます。このような流星群の中心に成る点を「放射点」と呼びます。
(執筆:2019/8/12)

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直接捕獲されたメテオロイド
塵だらけの銀河 ケンタウルスA
三裂星雲に埋もれた高温度星

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1996年1月25日木曜日

直接捕獲されたメテオロイド


この写真に写っている細長い模様は、宇宙空間に置いたジェル状の物質に、高速で飛び込んで来た宇宙の塵(メテオロイド)によって作られたものです(模様の実際の長さは20分の1ミリ程度)。メテオロイド本体もジェルの中に捕獲されており、化学組成の分析から、そ彗星に起源を持つと考えられています。メテオロイドは「流れ星の種」で、これが地球大気に突入すると流れ星となります。
(執筆:2019/8/11)

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1996年1月24日水曜日

ハッブル・ディープ・フィールド


上の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された「ハッブル・ディープ・フィールド」と呼ばれる深宇宙を写し出した写真の一部です。この写真は、可視光の波長で、おおぐま座の一部を非常に長い時間(10日間)に渡って露光して撮影されたもので、様々な形や色の銀河が写し出されています。写真の中で最も暗い銀河は、肉眼で見える星の約40億分の1の明るさです(等級では約30等に相当)。暗い銀河ほど遠方に存在する銀河ですが、宇宙では遠方を見るほど過去を見ることになるので、写真の中で最も暗い銀河を見ることで宇宙が始まってから10億年もたたない昔の銀河の様子を知ることができます。このイメージデータは、銀河や宇宙の進化を研究するために世界中の天文学者や物理学者によって利用され、多くの研究成果を産み出しました。
(執筆:2019/8/10)

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1996年1月23日火曜日

近赤外線で見た木星大気


この木星の近赤外画像は、ガリレオ衛星による木星探査を支援するために、ハワイのマウナ・ケア山頂にあるNASAの赤外線望遠鏡を用いて撮影されました。明るく写っている場所は比較的雲の密度が薄い場所で、木星大気のより深い部分が見えていることになります。1995年12月7日、ガリレオ衛星から放出された探査機が、地上の赤外線望遠鏡で得られた情報を基に、雲が薄い場所を狙って57分間の間パラシュートで降下し、その間ずっと木星の雲の観測を行いました。この探査では、時速500kmにも及ぶ高速のジェット気流、雲の成分が水ではないこと、ヘリウムとネオンの存在量が予想よりも少ないこと、雷の発生頻度が地球の10分の1程度であること、木星の雲の温度が予想よりも高いことなどの発見がありました。
(執筆:2019/8/3)

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1996年1月22日月曜日

爆発寸前の星 ベテルギウス


上の写真(左上)は、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたオリオン座で最も明るい星「ベテルギウス」です。ベテルギウスはオリオン座の左肩に位置する赤い星で(写真左の星図参照)、地球からの距離は約600光年です。この星は、星としての寿命がつきる直前の老人星で、温度は太陽よりも低いですが、大きさは太陽の1000倍以上もある非常に巨大な星です。もし、太陽の位置にベテルギウスを持ってくると、木星の軌道のさらに外側まで星の中に飲み込まれてしまいます。ハッブル宇宙望遠鏡の解像度では残念ながら見えませんが、ベテルギウスの表面には、非常に明るい構造(ホットスポット)があると考えられています。そして、この星は、そう遠くない将来、超新星爆発を起こして星としての寿命を終えると考えられています。
(執筆:2019/8/2)

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1996年1月21日日曜日

水星表面に見られる断層


水星の表面にも「断層」が存在することが知られています。上の写真の中央よりもやや左の位置に、上下方向に長く伸びる断層が写っています。この断層は「サンタ・マリア断崖」と呼ばれています。このような断層は、水星の地殻の全体的な運動と、小惑星等の衝突による衝撃の2つの理由で形成されると考えられています。
(執筆:2019/8/1)

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1996年1月20日土曜日

水星のカロリス盆地


太陽に最も近い惑星である水星の表面には、地球の月に似て、多くのクレーターが存在しています。水星の地形を詳しく観察すると、月表面の地形との様々な類似性に気づきます。例えば、上の写真(中央よりもやや下)には、小惑星との衝突で形成されたと考えられている円形に窪んだ盆地「カロリス盆地」が見えますが、この地形は月表面の「東の海」と非常に似ています。カロリス盆地の直径は1000キロメートル程度で、太陽接近時に太陽側に面する位置に立地しているため、水星が最接近する時には高温にさらされます。
(執筆:2019/7/31)

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1996年1月19日金曜日

がか座ベータ星の星周円盤


我々から50光年の距離にある「がか座ベータ星」(β Pic)の周りには、主に塵から成る円盤が存在します。がか座ベータ星の周りの円盤は、生まれたばかりの太陽系と類似していると考えられています。1980年代の中頃、この星の周りに惑星を含むかもしれない円盤が発見された時には大ニュースとなりましたが、当時はまだ円盤の詳細な様子を明らかにできる観測装置が存在しませんでした。しかし、円盤の発見から約10年後、ハッブル宇宙望遠鏡による観測が行われ(上の写真)、この円盤の中で惑星が作られていることを裏付ける証拠が見つかりました。円盤の一番内側の部分(写真の中の白色の部分)は、円盤全体の対称軸に対してわずかに歪んでいますが、この歪は円盤内に惑星が存在する証拠だと解釈されています。
(執筆:2019/7/30)

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1996年1月18日木曜日

砂時計星雲 MyCn18


惑星状星雲 MyCn18は、その形状が砂時計に似ていることから「砂時計星雲」と呼ばれています。太陽程度の質量の星の進化が進み、星の内部での核融合が終了に近づくと、星の外層のガスが星間空間へと放出されます。そして、放出されたガスや塵は惑星状星雲を形成し、中心には白色矮星と呼ばれる高密度でコンパクトな星が残ります。この惑星状星雲 MyCn18の写真はハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されました。写真の色はガスを構成する元素を表しており、赤が窒素、緑色が水素、青色が酸素に対応しています。
(執筆:2019/7/29)

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1996年1月17日水曜日

死にゆく星が形作る星雲 NGC7027


ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたこの天体(NGC7027)は、太陽程度の質量の恒星が星としての寿命を終える時に星周空間に吹き出した物質によって作られる「惑星状星雲」と呼ばれるタイプの星雲です。惑星状星雲の形状から、星がその進化末期にどのように物質を星間空間に吹き出したのかを知ることができます。星雲の外側の方が、より昔に吹き出された物質に相当しますが、NGC7027の場合、星雲の外側は比較的きれいな円形になっています。これは、惑星状星雲が形成され始めた初期の段階では、物質は球対称に全方向に向かって均一に吹き出されていたことを示唆しています。そして星雲の内側、つまり、より後になって形成された部分ほど複雑な形状を示しており、星の進化の最末期には物質の吹き出し方が球対称から非球対称へと変化していることが分かります。星からガスや塵が吹き出すことは「質量放出」と呼ばれますが、質量放出が球対称から非球対称へと変化する理由は今もって完全には理解されておらず、恒星物理学に残された難問の一つとして知られています。太陽程度の質量を持った星の寿命は100億年程度ですが、質量放出期に入ってからの星の寿命は僅かに数千年から数万年程度しかありません。しかし、この短い期間に星は劇的な変化をとげるのです。我々の太陽も50億年後にはこのような進化の最終段階を迎えると考えられています。
(執筆:2019/7/28)

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1996年1月16日火曜日

散開星団 M11


太陽のような銀河系内の普通の恒星は、散開星団と呼ばれる星団の一員として生まれたと考えられています。 上の写真に写っているのは、 M11という名前の散開星団です。この星団は数千個の星からなる散開星団で、3000光年ほどの距離に位置しています。M11の星は、約1億5000万年前に同時に生まれたと考えられています。散開星団には、一般的に若くて青い星が多く属しています。星団には散開星団以外に球状星団と呼ばれる星団も存在しますが、両者には名前の由来となっている星団の形状以外にも明確な違いがあります。散開星団が主に若くて青い星の集団である一方で、球状星団は主に年老いた古い星の集団です。さらに散開星団は銀河面に分布し、球状星団は銀画面から外れた位置にも分布するなど、空間的な分布にも違いが見られます。
(執筆:2019/7/27)

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1996年1月15日月曜日

銀河団が形成された頃の宇宙


開闢直後の宇宙はどのような姿だったのでしょうか。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した上の写真は、極めて遠方の宇宙の様子を写したものです。宇宙はその始まり以来、ずっと膨張を続けているので、昔の宇宙は今の宇宙よりもサイズが小さかったことになります。この写真に写っているのは、サイズが現在の3分の1だったころの宇宙の様子です。当時の宇宙は、銀河の大部分がお互いに衝突して相互に作用を及ぼし合っている激しい世界でした。この写真に写っている銀河も、多くのものが激しい相互作用によって形が歪んでいることがわかります。現在の宇宙には、銀河の集まりである銀河団が多数存在しますが、銀河団が形成されたのはこの時期だと考えられています。
(執筆:2019/7/26)

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かみのけ座銀河団に属する数千の銀河
遠方の銀河団
乙女座銀河団

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1996年1月14日日曜日

遠方の銀河団


上の写真は、1994年にハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された「CL0939+4713」という名前の遠方の銀河団の写真です。この写真に写っている天体は全て銀河です。銀河には、大きく分けて楕円銀河と渦巻銀河の2つのタイプが存在することが知られていますが、興味深いことに、この写真に写っている銀河は、そのほどんど全てが渦巻銀河です。それまで知られていた近傍の銀河団では、渦巻銀河よりも楕円銀河の方が多かったのですが、渦巻銀河と楕円銀河の比率が遠方の銀河団では逆転する場合があることがこの写真によって示されました。
(執筆:2019/7/25)

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かみのけ座銀河団に属する数千の銀河
乙女座銀河団
ステファンの五つ子

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1996年1月13日土曜日

月面用ロボット「ルノホート1号」


1970年11月17日、ソ連の月探査機「ルナ17号」 は、人類史上初めて月面に到達し、無人探査ロボット「ルノホート1号」による探査活動を行いました。ルノホート1号の重量は約900kgで、モスクワ近くにあるコントロールセンターから5人の技術者がコントロールし探査活動が行われました。当初の計画では月面で90日間活動する予定だったルノホート1号は、計画を大きく上回る11ヶ月もの間月面で稼働しました。
(執筆:2019/7/25)

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1996年1月12日金曜日

東の海


月面上で「東の海」と呼ばれている場所には、大変印象的な地形が見られます。東の海の最大の見どころは、直径約1000キロメートルにも及ぶ巨大なクレーターです。このクレーターは30億年以上前に、小惑星サイズの天体が衝突してできたと考えらています。1967年にNASAの月探査機 ルナ・オービター4号によって撮影された上の写真を見ると、クレーターの内部に同心円状の模様が3つ写っていることがわかります。これは天体の衝突によって月の地殻に生じた波紋だと解釈されています。残念ながら、東の海は、月の西の端にあるため地球から直接見ることはできません。
(執筆:2019/7/25)

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1996年1月11日木曜日

エータ・カリーナ星から放たれるレーザー光線


コンサートホール等で「レーザー光線」を用いた綺麗な演出が行われることがありますが、実は宇宙でも「自然の壮大なレーザーショー」を見ることができるのです。1996年の1月10日、ミネソタ大学のデビッドソン博士とルント大学のヨハンソン博士は、エータ・カリーナという名前の変光星が、紫外線域にある特定の波長で強い光を出しており、それがおそらく「レーザー光線」であると発表しました。上のイラストは、エータ・カリーナがレーザー光線を出している様子を描いた想像図です。今回の発見は紫外線域での話ですが、エータ・カリーナは紫外線レーザー以外にも、赤外線やマイクロ波の波長でもレーザー光線を放射していると考えられています。
(執筆:2019/7/24)

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1996年1月10日水曜日

M100のセファイド


ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された上の3枚の写真は、M100銀河の中の同じ領域を、異なる時間に撮影したものです。3枚の写真を比べると中央に写っている星の明るさが変光していることが分かります。明るさが変化する星を「変光星」と呼びますが、ここに写っているのは「セファイド型変光星」(もしくは、単にセファイド)と呼ばれるタイプの変光星です。セファイドには、変光周期と明るさの間に明確な相関関係があることが知られています。したがって、変光周期を計測することでセファイドの明るさがわかり、さらにその明るさをもとに正確な距離を知ることができます。M100中のセファイドまでの距離がわかると、M100までの距離がわかることになりますが、M100銀河までの距離がわかると、今度はまた別の方法を用いてより遠方の別の銀河までの距離を知ることができます。同様に、異なる種類の天体の距離情報を総合することで、最終的には宇宙全体の大きさを知ることができるのです。このような観点から、セファイドまでの距離測定は、宇宙全体の大きさを知るための「距離梯子」の1段として重要な意味を持ちます。
(執筆:2019/7/24)

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1996年1月9日火曜日

M100と膨張する宇宙


上の写真に写っているのは、1996年の初めごろにハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された渦巻銀河 M100です。ハッブル宇宙望遠鏡によるM100の観測によって、この銀河までの距離が正確に計測されましたが、過去の測定値と異なる値が出たために天文学者の間で大きな議論となりました。天体までの距離は、単にその天体だけの問題にとどまらず、宇宙全体の大きさを決める重要な要素でもあるため、過去の値と異なる測定結果が出ると、天文学者や物理学者の間で大きな話題となります。
(執筆:2019/7/24)

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1996年1月8日月曜日

局部銀河群に属する NGC205銀河


我々の天の川銀河は単独で存在しているわけではなく、局部銀河群として知られる25個程度の銀河からなるグループに属しています。局部銀河群には、アンドロメダ銀河(M31)、M32、M33、大小マゼラン雲、ドゥインゲルー1銀河、その他多くの不規則銀河や矮小楕円銀河が含まれます。この写真の「NGC205」も局部銀河群のメンバーです。NGC205は、M32と同様にアンドロメダ銀河(M31)の伴銀河でもあり、M31の中心の南側に位置しています。この銀河は楕円銀河に分類されますが、通常は年老いた星のみで構成される楕円銀河としては珍しく、星形成の兆候が見られることで知られています。
(執筆:2019/7/23)

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1996年1月7日日曜日

マーキュリー計画の宇宙飛行士とレッドストーンロケット


上の写真は、1961年に撮影されたマーキュリー計画の広報用写真です。写真に写っているのはマーキュリー計画の宇宙飛行士で、左から、ジョン・グレン、バージル・グリソン、アラン・シェパードの3人です。マーキュリー計画は、人類史上初めての有人宇宙飛行計画で、一人乗りのカプセルとレッドストーンロケット、アトラスロケットを用いて、合計6回の有人飛行を行いました。1961年5月5日、アラン・シェパード宇宙飛行士による初の有人飛行が行われた直後、当時のケネディ米大統領は、アポロ計画によって1970年までに有人月面着陸を成功させるという目標を発表しました。
(執筆:2019/7/23)

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1996年1月6日土曜日

矮小楕円銀河 M32


この写真に写っているのは、有名なアンドロメダ銀河 M31の伴銀河である「M32」です。M32はM31のすぐ近傍に存在しているために、M31の写真にしばしば映り込みます。M32は矮小楕円銀河と呼ばれるタイプの銀河です。このタイプの銀河(楕円銀河)は天の川銀河やアンドロメダ銀河等の渦巻銀河とはことなりディスク状の構造は持たず回転楕円体状に星が分布しています。またガスや塵をほとんど含まないこと、比較的進化の進んだ星が多く含まれる等の特徴があります。
(執筆:2019/7/23)

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1996年1月5日金曜日

トービージャグ星雲


この写真に写っているのは「トービージャグ星雲」という名前で知られている散光星雲 IC2220です。この星雲の中には赤色巨星が埋もれており(埋没している赤色巨星は複数かもしれない)、その星が放つ光が周囲のガスによって反射・散乱されることで、このような面白い形の星雲として見えています。この星雲を構成するガスや塵は、一見すると星雲中の赤色巨星から放出されたもののようにも見えますが、そのあたりの真偽は天文学者にとって興味深いテーマのようです。
(執筆:2019/7/22)

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1996年1月4日木曜日

共生星 R Aqr


互いの外層を共有するまでに星が近接している連星系を「共生星」と呼びます。可視光線の波長で撮影されたこの写真に写っているのは「共生星 R Aqr」(みずがめ座 R星)です。R Aqr の場合、進化末期の脈動変光星と白色矮星が近接して存在しており、重力的な作用によって複雑な星雲を周囲に形成しています。星雲の中には空洞に見える部分がありますが、この構造は何らかの爆発的な現象で形成されたと予想されています。
(執筆:2019/7/22)

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1996年1月3日水曜日

X線観測衛星 XTE


X線観測衛星 XTE(後に、RXTEと改名)は、1995年12月30日にデルタロケットで打ち上げられました。この観測衛星の主たる目的は、X線天体が放射するX線強度の速い時間変化を測定することでした。XTEには3台のX線検出器が搭載されました。PCAとHEXTEの2つの検出器は、これまで最も広いエネルギー範囲のX線を、最も細かい時間分解能で観測することを可能としました。これらの装置によって、ブラックホール、中性子星、白色矮星などを含む恒星系が観測されたほか、活動銀河中心のX線特性の調査も行われました。もう一つのASMと呼ばれる検出器では、90分毎に全天をスキャンして、新しく現れるX線源や既知のX線源の時間変動の探索が行われました。
(執筆:2019/7/22)

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1996年1月2日火曜日

X線で見た空


もし肉眼でX線を見ることができたら、全く異なった景色を夜空に見ることができるでしょう。X線の光子は可視光線の光子の約1000倍のエネルギーを持っているため、X線で宇宙を観測すると、可視光で観測する時に比べて、より高温や高エネルギーの激しい環境を見ることができます。例えば、X線の世界で明るく見えてくる天体は、白色矮星、中性子星、ブラックホール、フレア星、X線バースト、パルサー、超新星残骸、活発に活動する銀河等です。上の写真は、X線観測衛星HEAO1が撮影したX線写真をつなぎ合わせて作成した「全天のX線画像」です。写真の中心部分が銀河系中心に相当しますが、この領域に明るいX線源がたくさん写っていることが分かります。
(執筆:2019/7/21)

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1996年1月1日月曜日

スペースシャトルのエンジン噴射


上の写真は、スペースシャトル・ディスカバリー号が、低軌道で上下反転している時に軌道操縦システム(OMS)のエンジンに点火した瞬間をとらえたものです。ディスカバリー号は、イギリスのジェームズ・クック船長が指揮した18世紀の船の名前にちなんで命名されました。クック船長の航海は、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ諸島等の太平洋地域に関する新しい知識を当時のヨーロッパ人にもたらしました。スペースシャトルには「エンデバー号」という名前の別の機体も存在しましたが、この名前もクック船長が指揮した船の名前にちなんでいます。
(執筆:2019/7/21)

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