ラベル 脈動変光星 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 脈動変光星 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

1996年1月10日水曜日

M100のセファイド


ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された上の3枚の写真は、M100銀河の中の同じ領域を、異なる時間に撮影したものです。3枚の写真を比べると中央に写っている星の明るさが変光していることが分かります。明るさが変化する星を「変光星」と呼びますが、ここに写っているのは「セファイド型変光星」(もしくは、単にセファイド)と呼ばれるタイプの変光星です。セファイドには、変光周期と明るさの間に明確な相関関係があることが知られています。したがって、変光周期を計測することでセファイドの明るさがわかり、さらにその明るさをもとに正確な距離を知ることができます。M100中のセファイドまでの距離がわかると、M100までの距離がわかることになりますが、M100銀河までの距離がわかると、今度はまた別の方法を用いてより遠方の別の銀河までの距離を知ることができます。同様に、異なる種類の天体の距離情報を総合することで、最終的には宇宙全体の大きさを知ることができるのです。このような観点から、セファイドまでの距離測定は、宇宙全体の大きさを知るための「距離梯子」の1段として重要な意味を持ちます。
(執筆:2019/7/24)

関連記事


1996年1月4日木曜日

共生星 R Aqr


互いの外層を共有するまでに星が近接している連星系を「共生星」と呼びます。可視光線の波長で撮影されたこの写真に写っているのは「共生星 R Aqr」(みずがめ座 R星)です。R Aqr の場合、進化末期の脈動変光星と白色矮星が近接して存在しており、重力的な作用によって複雑な星雲を周囲に形成しています。星雲の中には空洞に見える部分がありますが、この構造は何らかの爆発的な現象で形成されたと予想されています。
(執筆:2019/7/22)

関連記事