1995年11月15日水曜日

ステファンの五つ子


キットピーク国立天文台(アメリカ)の2.1メートル望遠鏡で撮影されたこの写真には、狭い領域に密集した5つの銀河が見えています。この5つの銀河は「ステファンの五つ子」という名前で知られています。5つの銀河のうち4つは同じ距離にあることが赤方偏移の測定から知られています。左下に見えている青い渦巻銀河だけは他の銀河に比べて距離が近いと考えられています(他の銀河に比べてこの銀河だけ小さな赤方偏移を示します)。等距離にあると考えられている4つの銀河のうち3つは、互いの重力で影響を及ぼし合い、それぞれの形が潮汐力によって変形しています。一方で左下にある楕円銀河は、等距離にある他の3つの銀河からの影響は受けずに普通の楕円銀河として存在しています。近傍の他の銀河から潮汐作用や衝突によって影響を受けるかどうかは、銀河の進化を大きく左右します。
(執筆:2017/11/14)

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