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1996年1月29日月曜日

宇宙を照らすサーチライト


上の写真はハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された「玉子星雲」です。この星雲は約3000光年の距離にある「原始惑星状星雲」と呼ばれるタイプの星雲です。原始惑星状星雲は、惑星状星雲になる一歩手前の天体です。太陽程度の星の進化が進み、恒星内での核燃料が枯渇しだすと星の外層が宇宙空間に放出されはじめ、徐々に星雲を形成します。星雲のでき初めの時期には、星周物質の密度が高く、中心星からの紫外線が星雲の外側まで届きません。この段階の星雲を原始惑星状星雲と呼びます。やがて星雲の密度が低くなり、中心星からの紫外線放射が星雲全体に行き渡るように成ると惑星状星雲の段階に入ります。惑星状星雲期に入ると、中心星と星間空間からの紫外線によって星雲のガスは完全にイオン化された状態になります。玉子星雲は特徴的な双極状(点対称)の形をしていますが、このような複雑な構造が形成されるメカニズムはまだ完全に理解されていません。
(執筆:2019/8/15)

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1996年1月17日水曜日

死にゆく星が形作る星雲 NGC7027


ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたこの天体(NGC7027)は、太陽程度の質量の恒星が星としての寿命を終える時に星周空間に吹き出した物質によって作られる「惑星状星雲」と呼ばれるタイプの星雲です。惑星状星雲の形状から、星がその進化末期にどのように物質を星間空間に吹き出したのかを知ることができます。星雲の外側の方が、より昔に吹き出された物質に相当しますが、NGC7027の場合、星雲の外側は比較的きれいな円形になっています。これは、惑星状星雲が形成され始めた初期の段階では、物質は球対称に全方向に向かって均一に吹き出されていたことを示唆しています。そして星雲の内側、つまり、より後になって形成された部分ほど複雑な形状を示しており、星の進化の最末期には物質の吹き出し方が球対称から非球対称へと変化していることが分かります。星からガスや塵が吹き出すことは「質量放出」と呼ばれますが、質量放出が球対称から非球対称へと変化する理由は今もって完全には理解されておらず、恒星物理学に残された難問の一つとして知られています。太陽程度の質量を持った星の寿命は100億年程度ですが、質量放出期に入ってからの星の寿命は僅かに数千年から数万年程度しかありません。しかし、この短い期間に星は劇的な変化をとげるのです。我々の太陽も50億年後にはこのような進化の最終段階を迎えると考えられています。
(執筆:2019/7/28)

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