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1996年2月16日金曜日

初期宇宙

 


私たちの宇宙がまだ若かった頃、どのような姿をしていたのでしょうか?この問いに答えるために、天文学者は何百万もの粒子の位置を追跡する高度なコンピュータ・プログラムを実行しました。上のアニメーションは、そのような計算の結果であり、私たちの宇宙が現在の年齢のほんの1/10であったときにどのように見えたかを示しています。宇宙は最初、非常に滑らかで、物質と光はほぼ一様に広がっています。しかし、時間が経つにつれて、重力によってわずかな量の塊が集まって、より大きな塊が形成されるようになりました。銀河や長いフィラメントが形成され、上の写真のような明るい斑点や縞模様が現れました。この数百枚の画像を含むIMAXムービーは、現在制作中で、今年の夏に公開される予定です。
(執筆:2023/1/25)

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1996年2月6日火曜日

最も古い宇宙の構造


上の画像は、COBE衛星によって撮影された、銀河系の北極と南極(銀極)方向のマイクロ波写真です。この画像からは、ノイズや既知の信号、地球の運動等の影響は取り除かれていますが、それでも幾つかのスポット状の構造が画像中に見て取れます。COBE衛星によって撮影されたマイクロ波放射は、150億年前に宇宙がビッグバンで始まってから、僅か100万年後の非常に初期の宇宙から発せられた放射なので、上の画像に見られる構造は、人類が知っている宇宙の構造の中でも最も古いものだと言うことができます。このような宇宙の開闢直後に現れた構造から現在我々が知っている宇宙へ、どのように宇宙の構造が変化してきたのかについて多くの研究者によって研究が進められています。
(執筆:2019/8/25)

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1996年1月24日水曜日

ハッブル・ディープ・フィールド


上の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された「ハッブル・ディープ・フィールド」と呼ばれる深宇宙を写し出した写真の一部です。この写真は、可視光の波長で、おおぐま座の一部を非常に長い時間(10日間)に渡って露光して撮影されたもので、様々な形や色の銀河が写し出されています。写真の中で最も暗い銀河は、肉眼で見える星の約40億分の1の明るさです(等級では約30等に相当)。暗い銀河ほど遠方に存在する銀河ですが、宇宙では遠方を見るほど過去を見ることになるので、写真の中で最も暗い銀河を見ることで宇宙が始まってから10億年もたたない昔の銀河の様子を知ることができます。このイメージデータは、銀河や宇宙の進化を研究するために世界中の天文学者や物理学者によって利用され、多くの研究成果を産み出しました。
(執筆:2019/8/10)

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1995年11月8日水曜日

宇宙をシミュレートする


この図の立方体は、グランドチャレンジ・コスモロジーコンソーシアム(GC3)によって行われたシミュレーションの結果を表しています。この立方体のサイズは非常に巨大で、一辺の長さを横切るのに光の速度で5億年かかります(つまり、一辺5億光年)。青い部分は低密度のガス、赤い部分は高密度のガスを表しています。宇宙が生まれた瞬間は物質とガスの分布は非常に均一だったと考えられていますが、GC3のシミュレーションは宇宙が進化するとともに重力の影響で密度の高い領域が形成されていくことを示しています。このシミュレーションは、宇宙の3分の1がゆっくりと動く低温の暗黒物質、3分の2が速く動く高温の暗黒物質でできているという仮定のもとに行われましたが、シミュレーションの結果は実際の宇宙の観測結果とよく一致していることが知られています。
(執筆:2017/11/2)

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