レッド・レクトアングルと呼ばれるこの惑星状星雲は、特徴的な四角形の幾何学的な構造持っていますが、その成因は多くの謎に包まれています。星雲の中心にはおそらく連星系が存在し、その連星系が特徴的な幾何学的構造を作り出す上で重要な働きをしていると考えられています。中心の連星系は、高速の双極ジェットを吹き出しており、ジェット噴出によって中心の連星系は急速に質量を失いつつあります。また双極ジェットは、止まる寸前のコマのような歳差運動を行っていると推測されています。歳差運動しているジェットは、その外側にある分厚い円盤状の構造の内側にガスを吹き付けます。厚い円盤の内側に吹き付けられたガスが特徴的な四角形の構造を作り出していると考えられています。この星雲から放出される赤外線からは、珍しい種類の炭素含有分子が見つかっており、星雲の構造やガスの運動との関連が議論されています。
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