1994年に、フランスの月探査衛星「クレマンティン」は、70日間をかけて月の表面を詳細に観測し月表面の地図を作成しました。上の写真に写っているのは、クレマンティンが撮影した月表面の写真 1500枚をつなぎ合わせて作成した月の南極側の様子です(画像の中心が月の南極です)。この写真に写っている月の上側半分が通常地球から見える月で、下側半分は地球からは見えない部分です(月は常に同じ面を地球に向けて地球の周りを公転しています)。月の南極近辺(画像中央)に大きな凹みがあることが画像からわかります。これは彗星もしくは小惑星が衝突した跡だろうと推測されています。衝突痕と推測される場所には黒く影になった領域が見えます。この影の部分の温度は非常に低く、衝突したかもしれない彗星の氷の破片などが溶けずに残っているのではないかと天文学者は期待しています。
(執筆:2017/12/2)