1996年2月3日土曜日

火星の巨大なクレーター


上の写真はバイキング探査計画の中で撮影された火星です。写真の中心からやや左寄りに巨大なクレーターが写っています。この「シパレリ」という名前で知られる火星のクレーターは、小惑星程度の物体が衝突してできたと考えられています。シパレリ以外にも、火星の表面には多数のクレーターが存在します。これらのクレーターは、数十億年の長い時間の経過の中で、多くの隕石や小惑星が火星の表面に衝突することで形成されてきました。写真の右下には、白い炭酸ガスの霜(つまり、ドライアイス)に覆われた「ヘラス盆地」と呼ばれる地形が見えています。火星の気温は摂氏-140度まで下がることがあるため場所によっては炭酸ガスが固体として存在するのです。しかし、低温度の場所がある一方で、地球の典型的な室温である摂氏20度に達するような場所があることも知られています。
(執筆:2019/8/21)

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