太陽に最も近い惑星である水星の表面には、地球の月に似て、多くのクレーターが存在しています。水星の地形を詳しく観察すると、月表面の地形との様々な類似性に気づきます。例えば、上の写真(中央よりもやや下)には、小惑星との衝突で形成されたと考えられている円形に窪んだ盆地「カロリス盆地」が見えますが、この地形は月表面の「東の海」と非常に似ています。カロリス盆地の直径は1000キロメートル程度で、太陽接近時に太陽側に面する位置に立地しているため、水星が最接近する時には高温にさらされます。
(執筆:2019/7/31)