もし肉眼でX線を見ることができたら、全く異なった景色を夜空に見ることができるでしょう。X線の光子は可視光線の光子の約1000倍のエネルギーを持っているため、X線で宇宙を観測すると、可視光で観測する時に比べて、より高温や高エネルギーの激しい環境を見ることができます。例えば、X線の世界で明るく見えてくる天体は、白色矮星、中性子星、ブラックホール、フレア星、X線バースト、パルサー、超新星残骸、活発に活動する銀河等です。上の写真は、X線観測衛星HEAO1が撮影したX線写真をつなぎ合わせて作成した「全天のX線画像」です。写真の中心部分が銀河系中心に相当しますが、この領域に明るいX線源がたくさん写っていることが分かります。
(執筆:2019/7/21)