ハッブル宇宙望遠鏡(HST)によって1994年4月に撮影されたこの画像には、球状星団M15の中心部に密集する星々が写し出されています。ここに写っている星々は、おおよそ1.6光年程度の範囲の中に分布しています。星々はそれぞれ異なる色を示していますが、星の色はその温度と対応しており、青い星は温度の高い星、赤い星は温度の低い星です。M15は、銀河系の中で最も星の分布密度が高い球状星団として知られています。ハッブル宇宙望遠鏡は、非常に高い角度分解能を誇りますが、M15の星々の密集度が高いため、その分解能をもってしてもM15の星々を完全に分離して見ることは不可能です。しかし、ハッブル宇宙望遠鏡による観測では、M15の星の分布密度が、中心部に近づくにしたがって高くなっていることが明らかとなりました。このことはM15の中心部分に非常に巨大な密度を持つ天体(例えばブラックホール)が存在することを示唆しています。
(執筆:2017/11/20)