NASAのハッブル宇宙望遠鏡が3月25日、百武彗星が地球から930万マイル以内に接近した際に撮影した核に近い領域の画像です。太陽方向が右下(尾方向は左上)、幅2,000マイルの比較的「小さな」領域をカバーしています。画像では、この汚れた「軌道上の氷山」の表面が太陽によって加熱され、核の太陽方向から大量の塵が噴出しているのがわかります。太陽光の圧力がダストを尾部に押しやり、ダストの生成量が増えるにつれて、すでに視覚的に印象的な尾部がさらに明るくなるのです! 核の実際の大きさは不明ですが、ハレー彗星と同じように5〜10マイルと推定されています。このように、最も明るい点は、核そのものというよりも、最も強いダストジェットの先端でだと考えられます。夜側にも劇的なダストジェットの特徴があるように見えますが、我々の視線に対する真の角度は判断しにくいものです。画像の左上には、彗星核から離脱した大きな破片が、尾を引いているのが見えます。彗星の塵は、太陽系形成時の始原物質である可能性があり、NASAでは彗星塵のサンプルリターンを計画しています。
(翻訳:2023/2/13)
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