1996年3月26日火曜日

彗星の尾は何でできている?

 

百武彗星の尾は、太陽の熱で氷のようになった彗星核から、太陽風で吹き飛ばされた塵やガスで構成されています。このガスに太陽の紫外線が当たることで、ガスの分子が分解・励起され、独特の輝きを放ちます。この輝きが尾からの可視光線となり、分光器によってその化合物を特定することができるのです。百武彗星の接近は、この方法を用いて尾の組成を調べる絶好の機会です。例えば、H20(水)、CO(一酸化炭素)、CN(シアノゲン)などがよく知られています。実際、1910年に出現したハレー彗星のスペクトルには、有毒なCOやCNの化合物が確認されています。当時、地球がハレー彗星の尾を通過すると予想されていたため、世間を心配さ せました。しかし、何百万キロも続く彗星の尾は非常に細く、地球大気への危険はありません。
(翻訳:2023/2/13)


関連記事

百武彗星が地球を通過
百武彗星の過去と未来
百武彗星がやってくる

<<トップページへ>>