近傍の巨大銀河M87の中心は、高密度で荒々しい場所です。ハッブル宇宙望遠鏡が1994年に撮影したこの写真で、この巨大な楕円形銀河の中心を高温のガスの円盤が回っていることが明らかにさ れました。この円盤は、上の写真の左下に写っています。この円盤の中のガスの回転速度は、ガスが回っている天体の質量を示し、円盤の大きさは中心天体のおおよその体積を示します。これらの観測から、中心部の密度が非常に高く、そこに存在しうる唯一の天体はブラックホールであると推測されています。また、この写真には、中心天体から噴き出す高エネルギーのジェットも写っています。このジェットは高速で移動する荷電粒子で構成され、10光年ほどの大きさのノットに分かれています。
(翻訳:2023/2/1)
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