この画像は、非常にコンパクトな重い天体の近傍から星空を見上げるとどのように見えるかを理論計算に基づいて再現したものです。ここで仮定されているコンパクトな天体は、ブラックホールになるかどうかのギリギリの大きさと質量を持ちます(このような天体は実際には知られていないので、この画像はあくまで理論上の計算結果です)。この理論計算では、観測者は重力の影響で光(光子)が軌道運動して形成される球(光子球)にいるものと仮定されています。重力の影響でどのように景色が歪められるかをわかりやすく見るために、天体の表面には地球の地図、夜空には地球から見える星空が描かれています。画像をよく見ると、球体の一部から空を見ているはずなのに、球体(地球)の表面全体が見えていること、星空も通常見える範囲を超えて、ほぼ全天が一度に見えていることなど、強い重力によって奇妙な現象が起きていることがわかります。
(執筆:2017/11/30)