1996年3月29日金曜日

百武彗星の色

 百武彗星の色は、暖められた核から発生した塵やガスに太陽光が作用してできたものです。微細な塵は太陽光を反射し、紫外線はガスの分子を励起・イオン化して、さまざまな可視色に発光させるのです。このカラー写真では、彗星コマの微妙な色の変化や、かすかな色とりどりの尾を見ることができます。3月18日から19日にかけての夜、緑、赤、青にそれぞれ約15分間露出した写真を合成して作られました。尾の色の特徴は、撮影ごとに尾の構造が変化していることを表していると思われます。色のついた星の軌跡は、アングロ・オーストラリア天文台のシュミット望遠鏡が、高速で移動する彗星を追尾したもので、撮影の順番を表しています。彗星の色合いは、人間の目では光量が少ないため、直接見ることはできません。
(翻訳:2023/2/13)


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