この図の立方体は、グランドチャレンジ・コスモロジーコンソーシアム(GC3)によって行われたシミュレーションの結果を表しています。この立方体のサイズは非常に巨大で、一辺の長さを横切るのに光の速度で5億年かかります(つまり、一辺5億光年)。青い部分は低密度のガス、赤い部分は高密度のガスを表しています。宇宙が生まれた瞬間は物質とガスの分布は非常に均一だったと考えられていますが、GC3のシミュレーションは宇宙が進化するとともに重力の影響で密度の高い領域が形成されていくことを示しています。このシミュレーションは、宇宙の3分の1がゆっくりと動く低温の暗黒物質、3分の2が速く動く高温の暗黒物質でできているという仮定のもとに行われましたが、シミュレーションの結果は実際の宇宙の観測結果とよく一致していることが知られています。
(執筆:2017/11/2)
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