1996年3月19日火曜日

百武彗星のイオンテール

 

この写真は、1996年3月14日に撮影された百武彗星です。百武彗星のイオンテイルの構造がよくわかるようになりました。彗星が太陽に近づくと、イオンテイルが形成さ れます。太陽の光によって、彗星の固体核からガスや塵が蒸発します。このとき、太陽のコロナから流れ出る高速の粒子である太陽風によって、イオンと呼ばれる帯電したガスが加速され、太陽から遠ざかっていきます。このとき、イオンテールは青く見え、蛍光で光ります。百武彗星が今後1ヶ月の間に太陽に近づくと、ダストの尾も見えるようになると予想されています。ダストの尾は、太陽からの反射光で輝きます。彗星が太陽から遠ざかっても、尾は太陽から離れる方向に向いています。北半球で見ると、今夜の百武彗星はおとめ座の東に現れ、2.5等くらいになるはずです。この彗星は暗い空が一番印象的で、街中ではぼんやりとした塊にしか見えないでしょう。
(翻訳:2023/2/6)


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