へびつかい座ρ星近辺の星雲は、様々な色彩を放ち、そこで起きている様々な現象を浮き彫りにしています。青い領域は、主に反射光によって輝いています。へびつかい座ρ星や近くの星からの青い光は、赤い光よりも効率よく星雲のこの部分で 反射されます。地球の昼間の空が青く見えるのも、これと同じ理由です。赤と黄色の領域は、主に星雲の原子・分子ガスが放つ光によって輝いています。近くの星、特に明るい星アンタレスからの光がガスから電子を奪い、その電子がガスと再結合して輝くのです。暗い部分は、若い星の大気の中で生まれた塵の粒が、その後ろにある光を効果的に遮断しているためです。左下に見える球状星団 M4 の手前にある「ロー・オフィウチ」星雲は、電波からガンマ線まであらゆる波長帯の光を放ち、人間が見る以上にカラフルな星雲であることが分かります。
(翻訳:2023/2/3)
関連記事
<<トップページへ>>