レッドスプライトの回でも触れましたが、最近「レッドスプライト」と「ブルージェット」と呼ばれる2種類の新しいタイプの雷が発見されました。この2つの雷は、普通の雷が発生する高度に比べて遥かに高い大気の高層で発生します。ブルージェットは、稲光の色が青いのでこの名前で呼ばれており、だいたい高度50キロメートルぐらいのところで発生します。ブルージェットの継続時間は約1秒ほどあるので、高速度撮影のできるビデオカメラを用いると比較的容易に現象を記録することができます。ブルージェットの稲光は細いコーン状の形状を示し、秒速約100キロメートルで大気中を移動します。レッドスプライト同様、ブルージェットの存在は早くから示唆されていましたが、実際に記録として残されたのは高速度カメラが登場して以降のことでした。この白黒写真は、1994年に、雷雲から上方に向かって走るブルージェットの稲光を捉えたものです。レッドスプライト同様、ブルージェットの発生メカニズムはまだ明らかになっていません。
(執筆:2017/11/9)