軌道上を周回するスペースシャトルの窓から見える日の出は、ヘミングウエイの小説「日はまた昇る」を想起させるような実に素晴らしいものです。この息を呑むような美しい写真は、対流圏の上部境界を漂う雲の向こう側に見える日の出時の太陽を捉えたものです。日の出時の太陽が放つ光は、塵を多く含む大気を通り抜けて来るので、青い光が途中で遮断され、人間の目には赤っぽい色として認識されます。写真の中に見えている赤い帯はこのような理由で色づいているのです。一方で、赤い帯の上に見える青い帯は地球大気の上層部に位置する成層圏に対応しています。成層圏では青い光が散乱されるために青く色づいて見えるのです。
(執筆:2017/11/14)