寒くて遠い冥王星は、太陽系の中で地球からの探査機が訪れたことのない唯一の惑星です。かつて、この小さくて神秘的な惑星を描いたアメリカの郵便切手が発行され、その切手には「冥王星はまだ探査されていない」という一言が書かれていました。この切手に書かれた文言に触発されて、NASAジェット推進研究所の職員が冥王星探査計画を推し進めたという話が残っています。現在進行中の「冥王星エクスプレス」計画では、今後10年以内の探査機打ち上げを目指しています。上の図には、冥王星の表面に接近していく探査機の想像図が描かれています。三日月状の冥王星と、その右上に冥王星の惑星シャロン、冥王星の表面に薄く取り巻く青い大気などが描かれています。地球からの観測だけでは、非常に遠方に存在する冥王星のような惑星の詳細を知ることは困難です。直接探査から得られるデータは、冥王星を研究している研究者に多くの新しい知見をもたらすでしょう。冥王星の発見者である天文学者クライド・トンボー(Clyde Tombaugh)は、2月4日に90歳の誕生日を迎えました。
(執筆:2020/04/27)
注意:この記事は1996年2月に書かれた内容に基づいています。
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