この写真に写っているのは、米国が初めて打ち上げた人工衛星「エクスプローラー1号」です。エクスプローラー1号は、重量約14キログラムの円筒形の衛星で、米陸軍の弾道ミサイルを改造したジュピターC型ロケットによって1958年1月31日に打ち上げられました。エクスプローラー1号には、衛星内部と外部の温度を測定するための装置、微小隕石の衝突、および宇宙における電子とイオンの密度を測定するための装置が搭載されていました。エクスプローラー1号の観測によって、今日「バンアレン帯」と呼ばれている地球を取り囲む高エネルギー電子とイオンからなるベルト状の構造が発見されました。エクスプローラー1号との交信は打ち上げから約1ヶ月後の2月28日に途絶えましたが、その後、1970年3月ごろまで10年以上の長期に渡って軌道上に存在しました。
(執筆:2019/10/17)