火星には、ギリシャ神話にちなんでフォボスとダイモスと名付けられた2つの小さな月が付随しています。フォボスとダイモスは、何らかの理由で火星の重力圏に捕まった小惑星ではないかと考えられています。捕まった小惑星の起源としては、火星と木星の間の小惑星帯(アステロイドベルト)から飛来したという説と、さらに遠方から飛来した小惑星だとする説が存在します。 1977年にバイキング探査機によって撮影された写真(上)に映しだされたフォボスの形態は、小惑星帯に属する小惑星の形態に酷似しているものでした。フォボスの大きさはおおよそ27キロメートルほどで、火星の周りを8時間ほどで周回しています。フォボスは火星の表面から約5800km程度の近接した軌道を軌道運動していますが、この軌道は長期的には不安定であり、1億年程度以内に火星の表面に衝突するか、潮汐力によって粉々になり、土星のリングのように火星の周りにリングとなって漂うのではないかと推測されています。
NASAが毎日更新している Astronomy Picture of the Day (APOD) に簡単な日本語の解説を加えて紹介しているAPODのファンページです。1995年6月の本家サイト運営開始日に遡って「古い写真から順番に」紹介していますので最新のAPODとは少し違った楽しみ方ができると思います。随時更新。オリジナルページは、こちら⇛http://apod.nasa.gov/apod/astropix.html
1995年10月2日月曜日
消え行く運命にある火星の月、フォボス
火星には、ギリシャ神話にちなんでフォボスとダイモスと名付けられた2つの小さな月が付随しています。フォボスとダイモスは、何らかの理由で火星の重力圏に捕まった小惑星ではないかと考えられています。捕まった小惑星の起源としては、火星と木星の間の小惑星帯(アステロイドベルト)から飛来したという説と、さらに遠方から飛来した小惑星だとする説が存在します。 1977年にバイキング探査機によって撮影された写真(上)に映しだされたフォボスの形態は、小惑星帯に属する小惑星の形態に酷似しているものでした。フォボスの大きさはおおよそ27キロメートルほどで、火星の周りを8時間ほどで周回しています。フォボスは火星の表面から約5800km程度の近接した軌道を軌道運動していますが、この軌道は長期的には不安定であり、1億年程度以内に火星の表面に衝突するか、潮汐力によって粉々になり、土星のリングのように火星の周りにリングとなって漂うのではないかと推測されています。