X線が太陽の外層から検出されたことは当時大変な驚きを持って研究者に受け止められました。X線は、通常、数百万度以上の超高温ガスからのみ検出されます。太陽は高温な天体ではありますが(光球の温度は6000度程度)、まさか数百万度にも達する高温の領域が太陽大気内に存在するとは研究者のほとんどは全く予想だにしていませんでした。この太陽のX線写真は、太陽活動が活発だった1992年8月に撮影されたものです。光球の円内にX線で非常に明るく輝いているスポット状の構造がいくつか綺麗に見えています。さらに光球の外側に、太陽を包み込むように広がったX線放射領域が見られます。この広がった領域はX線コロナと呼ばれており、未だにその発生メカニズムは明らかになっていません。