1995年10月27日金曜日

タランチュラ星雲と超新星1987A


この大マゼラン雲のクローズアップ写真の左側には、「蜘蛛」の様な形状の星雲が写っています。この星雲は毒蜘蛛のタランチュラになぞらえて「タランチュラ星雲」と呼ばれています。タランチュラ星雲の中には、30 Doradusと呼ばれる若くて高温の星の集団が存在します。30 Doradusに含まれている星々は、宇宙の中で最も重い部類の星で、それぞれの星が太陽の約50倍の質量を持つと考えられています。このような太陽の50倍もの質量を持つ重い星は、太陽の100倍もの巨大なエネルギーを放出していると考えられています。右下に写っている明る星は超新星「SN1987A」です(正確には爆発した後なので超新星の残骸です)。30 Doradusに含まれる重い星々も、いずれは「SN1987A」と同様に超新星爆発を起こして星としての寿命を終える運命にあります。重い星は自らの重さを支えるために大量の燃料が必要です。したがって、太陽が数十億年も燃焼し続けるのに対して、30 Doradusの星たちの寿命は数百万年程度だと考えられています。大質量の星は超新星爆発を起こしてその一生を終え、その後には中性子星やブラックホールが残ると考えられています。

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