1995年10月23日月曜日

強烈なγ線を放つクエーサー


γ線は波長が短い電磁波で、γ線光子1つのエネルギーは、可視光線の光子1つのエネルギーの1万倍もあります。もし肉眼でガンマ線を見ることができたとしたら、夜空の様子は全く違うように見えるでしょう。このγ線写真の中央に明るく写っている天体は、3C279という名前のクエーサーです。3C279は可視光線で見ると普通の暗い星のように見えますが、γ線で見ると非常に明るい天体です。特に、1991年6月にNASAのコンプトンγ線宇宙望遠鏡が3C279を観測した時には、全天で最も明るいγ線源として輝いており研究者を驚かせました。更に興味深いことに、γ線で非常に明るかった3C279は、その後まもなく暗くなってしまったのです。この突然の減光の理由は未だに謎のままです。ちなみに、このγ線写真の中には、明るい3C279の斜め右上に、別のクエーサー(3C273)が写っています。

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