1995年12月5日火曜日

楕円銀河の中心部分にある謎の渦巻き


ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された近傍の楕円銀河 NGC4261の写真には大変興味深い構造が映し出されています。この銀河の中心にはブラックホールがあると考えられていますが、この写真では、一見して銀河中心近くに漂うガスや塵が、渦を巻きながら銀河の中心部(ブラックホール)に吸い込まれているように見えます。しかし、実際は少し状況が違うようです。この渦巻状に見える構造、実は天文学者は、数億年前に楕円銀河に落ち込んだ小さな渦巻銀河の残骸だろうと考えています。このような銀河どうしの衝突や合体は、宇宙では頻繁に発生しており、活動銀河核のような活発な変動を見せる天体の成因と考えらています。NGC4261に埋没した渦巻銀河の位置は、楕円銀河の中心からずれています。このような位置関係が、上記のようなストーリーが背景にあることを推測するヒントを天文学者に与えたのでしょう。
(執筆:2017/12/7)

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