1995年9月23日土曜日

ガソリンの雨が降る木星の月、タイタン


木星の衛星タイタンは、大気を持つ珍しい衛星として有名です。太陽系の中で大気をまとった衛星は、木星の衛星タイタンと海王星の衛星トリトンの2つだけです。タイタンの大気の主成分は、地球の大気と同様に窒素です。しかし、窒素に次いで多い成分はメタンやエタンなどで、この点は地球の大気とかなり状況が異なっています。メタンやエタンを多く含む大気中には分厚い雲が形成されており、おそらく「ガソリン」とよく似た化学組成の雨が降っていると考えられています。また、タイタンの大気から有機物の存在を示唆する化学物質が検出されていることから、タイタンにはもしかすると生命が存在するのではないかと期待する科学者もいます。しかし、分厚い雲に覆われていることから、タイタンの表面の詳しい様子は未だによく解っていません。この写真は1980年にボイジャー1号によって撮影されたものです。最近ではハッブル宇宙望遠鏡によってより詳しいタイタンの状況が明らかにされています。

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